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しみドットコム 主催:品川シーサイド皮膚・形成外科クリニック

コラム

第4回 市販用「シミ」治療の商品の効果の限界について

 

顔面などの所謂「シミ」の治療を希望されて来院する方(大半が女性)で、「シミ」に効果があると謳われている商品などに高額出費と長い時間をかけて治療しているにもかかわらず、一向に改善していない方が多いのには驚く。一因としては、各種メディアやインターネットを利用して派手で紛らわしい表現を用いた宣伝・広告などがなされて、手軽に「しみ」治療の商品が購入できることと、その商品の情報を吟味することなく鵜呑みにして消費者が衝動的・非理性的に飛びついているからなのだろう。これに加えて、最近ではアンチエイジングの効能も謳った商品が目立つようになり、高齢化社会を迎えた年配者には心を擽るものがあるようだ。国内だけの商品に限らず、海外からの個人輸入も増加しているようで、その商品は百花繚乱状態である。

また、「シミ」に対して、大枚を叩いて購入した高価な薬用化粧品や市販用内服薬やサプリメントなどを何年も使用して、一向に治らなくて、化粧では隠せないほど色が濃くなったり、範囲が拡大してしまい、挙句の果てに当院に訪れる患者も多数いる。全然症状が改善しないにもかかわらず、薬用化粧品の効果がないのは仕方がないと文句を言わずに諦めたりするのは、女性の化粧品に対する寛容さからなのか、理解に苦しむことも屡である。

所謂「シミ」といっても、紫外線や加齢に伴う老人性色素斑から皮膚癌に至るものまで多種多様である。本人が「シミ」と思っていても、実際には「シミ」ではなく別疾患であることも多く、市販の治療薬では到底治らない疾患も多くあることを認識して欲しい(詳細はシミ専門HPに記載しているので参照して下さい)。本人の「シミ」を自己診断して誤っていた場合、皮膚癌などで手遅れになる可能性もあるので、市販薬で改善しない場合は、皮膚科専門の医療機関に受診してまずは的確な診断をしてもらうことをお勧めしたい。無駄な出費と時間は極力少なくして、最善の治療を受ければ、最終的には治療費用は安く済んで、「シミ」は改善することになるのだから。

当院でも、「シミ」に対する適切な診断をしてから、その疾患に効果のある治療方法を選択している。勿論、治療方法が数種類ある場合はその長所短所を理解してもらった上で、患者さんに選択してもらうことになる。当院でシミ治療されてやや高額の出費はあっても、今までに出費した金額から比較するとごく微々たるもので、治療に要した時間も少なくて満足される方が圧倒的に多い。

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